システインはメラニンの過剰生成をおさえる成分

アミノ酸の一種「システイン」。メラニン色素の過剰生成をおさえる働きがあることから、美白をもたらす成分として欧米で人気を集めています。

このページでは、システインの効果や働き、そしてサプリメントの選び方・注意点などについてご紹介していきます。

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1.システインの効果とは?

注目されているのは美白効果

システインに期待されていること。それは、何と言ってもシミやくすみに対する効果です。

シミ・くすみの原因で一番多いのは、メラニンが過剰生成されることです。メラニンは、もともと紫外線から肌を守るために作られる物質で、肌にとって必要不可欠なことは事実です。

しかしその反面、過剰にメラニンが作られると色素が沈着して、シミやくすみに発展します。これを防ぐためには、メラニン産生をおさえる成分が必要になりますが、そのひとつがシステインなのです。

ちなみに、メラニンが過剰生成される原因は「紫外線」です。10代~20代のころに紫外線をたくさん浴びていると、その影響が30代になってから現れることもあります。

システインには「肝臓を保護する」「髪の健康を維持する」という働きもあります。ただ、一般的に期待されているのは美白成分としての効果なので、このページではその点にしぼって述べていきます。

メラニン生成をおさえるメカニズム

人間の体内でメラニンが作られるときには、紫外線のほかに必要となるものがあります。それは、チロシン(アミノ酸の一種)とチロシナーゼ(酵素の一種)です。

チロシンはメラニンの元になる物質で、それ自体は白い色をしています。しかし、紫外線が肌に当たると、酸化酵素のひとつ「チロシナーゼ」の活動スイッチがオンになります。そして、この酸化酵素の働きによってチロシンはメラニンに変えられて、黒い色になってしまうのです。

つまり、メラニン生成の引き金となるのはあくまでも紫外線ですが、そこにチロシン+チロシナーゼという要素が加わって、ようやくメラニンが作られるということです。

システインに限らず、美白にかかわる成分のほとんどは、メラニン生成のプロセスをさえぎる効果があります。そしてシステインの場合は、チロシナーゼの働きを阻害することによって、メラニン生成の流れを遮断します(専門的にはチロシナーゼ阻害作用と呼ばれています)。

ちなみに、もうひとつの要素(チロシン)はアミノ酸の一種なので、食べ物の中に含まれています。そのため「食事からチロシンを極力摂らないようにすれば、シミを防げる」という考え方もできます。

しかし、この考え方は少し危険です。チロシンは人間にとって必要不可欠な物質で、甲状腺ホルモンの原料になったり、脳内の神経伝達物質(ドーパミン)の原料になったりします。そのためチロシンを摂らないようにすると、たとえ美白につながったとしても、健康面に悪影響が出てくる恐れがあります。

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すでにできてしまったシミを薄くすることはできる?

「新しいメラニンを作られにくくして、シミやくすみが発生しないようにする」というのがシステインの主な働きですが、それ以外にも期待できることがあります。それは、すでにできてしまったシミ・くすみに対する効果です。

メラニンには黒いものと黄色いものの2種類がありますが、シミの元になりやすいのは黒いメラニンです。システインはこの黒色メラニンを脱色して、黄色いものに誘導する働きがあります。いま現在肌にあるメラニンが脱色されれば、当然シミやくすみも薄くなります。

ただし、システインを摂ったからといって、その効果がすぐに現れるわけではありません。少なくとも1か月以上はシステインを継続的に摂取しないと、目立った効果は出てこないことが多いようです。

2.システイン不足について

どういう影響が出る?

すでに述べたとおり、システインはメラニン生成をおさえる成分です。そのため、システイン不足が続くとメラニン色素が過剰に生成されてしまい、シミやくすみの原因になります。

また、肌だけでなく髪の毛にも悪影響が出てきます。髪の毛はいろいろな物質で構成されていますが、主成分はケラチンという物質です。そして、そのケラチンの材料になるのはシステインなのです。そのため、システインが不足すると髪の毛がうまく作れなくなって、細毛や枝毛、薄毛といった髪のトラブルが起きやすくなります。

不足する原因は2つある

システイン不足の原因として考えられるのは、次の2つです。どちらも生活習慣に関係しています。

① 眼を酷使している

システインは眼(網膜)の細胞を修復するときに多く使われる物質です。眼を酷使し続けると網膜の細胞が傷ついてしまい、それを修復するためにシステインが消費されるのです。

とくにパソコンやスマホを長時間使う方は、ブルーライトのせいで目がダメージを受けやすいため、システインの消費量も多くなります。

生命維持の観点から見れば、肌や髪よりも眼のほうが圧倒的に大切です。そのため、システインは眼の細胞を修復するために優先的に使われます。そうすると、髪や肌にまわされる量が少なくなって、さまざまなトラブルが起きるというわけです。

② お酒をたくさん飲んでいる

システインは、アルコールを分解する過程でも消費されるため、お酒を飲めば飲むほど体内のシステイン量が減少します。

見方を変えると、体内にシステインがたくさんあればアルコールの分解がはかどるので、二日酔いを防止できるとも言えます。実際、「二日酔いを防ぐにはシステインのサプリを飲むといい」という話は有名です。

ただし、二日酔いを回避できるとしても、お酒を飲んだ分だけ確実にシステインが消費されます。そのため、飲酒の習慣があると肌や髪にかならず悪影響が出てきます。

また、お酒によって肝臓がダメージを受けると、それを修復するときにメチオニンという物質が使われますが、実はこれが大きな問題になります。というのも、メチオニンは肝臓を修復するだけでなく、体内でシステインを生成するときの原料にもなるからです。つまり、お酒を飲むとシステイン自体が減るだけでなく、その原料であるメチオニンも減ってしまうので二重に良くないのです。

3.システインを補うには

タンパク質をしっかり摂ること!

システインは、私たちが普段口にしている食べ物から摂ることができます。正確には、食べ物に含まれているのは「シスチン」という物質で、これはシステインの分子が2つ結合したものです。

システインとシスチンは体内で相互変換できるので、食べ物を介してシスチンを摂れば、体内のシステインを増やすことができます。

シスチンを多く含んでいる食材は「肉類」「魚介類」です。つまり、タンパク質が主体になっている食品を食べればいい、ということです。どんな種類の肉・魚を食べても同じくらいのシスチンが摂れます。

そのほか、豆類にもシスチンが多く含まれているので、豆腐や納豆などを活用するのもいいと思います。

逆に、シスチンがあまり摂れない食材というのもあります。それは野菜と果物です。いくつか例外はあるものの、基本的に野菜と果物には期待できないことを覚えておきましょう。

ちなみに、食べ物から摂らなくても、システインは人間の体内で合成することも可能です。

その際、原料となるのは「メチオニン」という物質です。メチオニンを多く含んでいる食品をしっかり食べれば、当然システインの体内量も増えることになります。
(メチオニンが多く含まれる食べ物は、シスチンと共通しているものが多いです)

システインが多く含まれる食べ物【グラフと表】

代表的な食材について、シスチンとメチオニンの含有量を調べました。

● 可食部100gあたりのシスチン&メチオニン含有量(グラフ)

(※ 横スクロールできます)

● 可食部100gあたりのシスチン&メチオニン含有量(表)

種類 食品名 シスチン
(mg)
メチオニン
(mg)
合計
(mg)
肉類 にわとり (ひき肉) 260 560 820
にわとり (むね) 220 540 760
ぶた (ロース) 220 510 730
うし (ひき肉) 240 460 700
ぶた (ひき肉) 250 450 700
にわとり (もも) 190 440 630
うし (サーロイン) 150 380 530
魚介類 かつお 290 700 990
しろさけ 230 680 910
まいわし 190 580 770
いせえび 200 530 730
さんま 190 520 710
ほっけ 180 530 710
やりいか 180 420 600
しじみ 80 150 230
あさり 79 130 209
種実類 カシューナッツ 490 420 910
落花生 510 310 820
くるみ 280 260 540
アーモンド 300 180 480
豆類 大豆 620 520 1140
納豆 290 260 550
えだまめ 170 160 330
木綿豆腐 95 92 187
豆乳 59 52 110
穀類 そば(生) 210 140 350
中華めん(生) 190 140 330
食パン 190 130 320
精白米 140 150 290
うどん(生) 150 88 238
卵類 鶏卵 300 390 690
乳類 ヨーグルト 36 88 120
生乳 29 83 110
野菜類 ブロッコリー 45 60 105
もやし 43 38 71
ほうれん草 29 35 64
キャベツ 14 13 27
たまねぎ 9 8 17
トマト 9 6 15
にんじん 6 8 14
果実類 アボガド 44 45 89
キウイフルーツ 31 19 49
バナナ 15 14 29
みかん 9 6 15
りんご 3 2 5
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摂取量の目安は「体重1kgにつき15mg」

シスチン&メチオニンの推奨摂取量は、WHO(世界保健機関)によって定められています。一日あたりの推奨摂取量は「体重1kgにつき15mg」で、これはシスチンとメチオニンを合算した数値です。

体重 推奨摂取量
40 kg 600 mg
50 kg 750 mg
60 kg 900 mg
70 kg 1050 mg
80 kg 1200 mg

肉類や魚介類などの高タンパク質食品をしっかり食べていれば、シスチンとメチオニンの推奨量は摂れるはずです。その反面、「ダイエット中だから肉を食べないようにしている」というような場合は、気をつけたほうがいいかもしれません。

すでに述べたように目を酷使しがちな方や、お酒をひんぱんに飲む方は、高タンパク質食品をしっかり食べていたとしても、システインの量が足りなくなる可能性があります。

さらに、もうひとつ付け加えておきたいのは「推奨摂取量は健康を保つための目安量にすぎない」ということです。そのため、シミやくすみ対策のためにシステインを利用する場合は、この推奨量はあまり参考にならないかもしれません。

4.システインのサプリメント

システインサプリの選び方

システインで有名なのはエスエス製薬の「ハイチオールC」です。ただし、これはサプリメントではなく医薬品です。

では、システインのサプリメントはあるのかというと、残念ながら国内メーカーからは発売されていないようです。そのかわり、アメリカ製のシステインサプリを通販会社から購入することは可能です。

もともとシステインは欧米でブームが起きたサプリメントで、一番知名度があるのはおそらくNOW社のシステインと思います。ハイチオールCと比べると、価格的にもかなりお得です。

ちなみに、NOW社というメーカーは、サプリメント先進国アメリカでも超大手のメーカーです。品質も決して低くないと思います。ただし、NOW社のシステインサプリは粒が大きくて飲みにくいのが欠点です。人によっては、飲むのが苦痛に思える大きさかもしれません(慣れれば大丈夫な範囲とは思いますが)。

摂取タイミングと摂取量について

基本的には、システインのサプリはいつ飲んでも構いません。ただ、胃の中が空っぽのときには胃が刺激されやすく、胃痛につながる恐れがあります。そのため、特別な理由がなければ食事のタイミングに合わせて摂るのがベターです。

次に摂取量についてですが、これは注意が必要です。長期的にシステインを摂りすぎると副作用が起きる可能性があるからです(あとで詳しく述べます)。一日あたり1000~1500mgまでに留めておくべきというのが、一般的な見解になっています。

副作用と注意点

短期的にシステインのサプリを使う場合は、大きな副作用は出ないとされています。摂取しすぎると下痢や腹痛が発生することはありますが、深刻な症状に発展する可能性はまずありません。

それに対して、長期にわたってシステインを摂り続けたときには、次の2点の副作用が発生することがあります。

① 毛髪の色素が薄くなって、白髪になりやすくなる

すでに述べたように、システインにはメラニンの生成を抑える作用があります。この作用が髪にまで及んでしまうと、髪の色素が抜けて白髪になりやすくなります。

もちろん一気に白髪が増えるわけではなく、時間をかけて少しずつ色素が抜けていきます。そのため髪の色素が薄くなったという実感がないまま、ふと気づいたときには白髪が増えていた……という事態が起こりえます。そう考えると、長期的にシステインを摂り続けるのは避けたほうがいいのかもしれません。

ただ、この副作用はある程度は抑えられます。その方法は、システインと併用してビオチンを摂取することです。

ビオチンとは……

ビタミンB群のひとつで、肌のトラブル(乾燥、痒み)や髪のトラブル(白髪、抜け毛)を防ぐ栄養素。

ビオチンは食べ物から摂取できますが、その量はけっして多くありません。そのため、システインのサプリを使っている場合は、それに合わせてビオチンもサプリメントから補給するとつり合いが取れます。

② 紫外線によるダメージを受けやすくなる

システインを摂りすぎると、紫外線によるダメージを受けやすくなります。これは、システインによって肌のメラニンが減るためです。
(メラニンは、紫外線をブロックして肌を守ることが本来の役割)

紫外線の怖いところは、肌の内部(真皮)にあるコラーゲンを破壊してしまうことです。これは、肌全体を老化させる大きな原因になります。

せっかくシステインで美白に成功しても、肌が老化してシワが増えてしまった……となったら泣くに泣けません。

そのため、システインサプリを使っている間は、いつも以上に紫外線対策に力を入れましょう。外出するときはなるべく建物の影を歩いて、日差しから身を守るようにする、といった細かいことも大切です。また、抗酸化成分をしっかり摂って紫外線対策するのもオススメです。

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