ギャバは脳の働きをサポートしつつ、血圧にも作用する成分

ギャバは、米やお茶・発酵食品などに含まれている栄養素です。正式名称はγ-アミノ酪酸(ガンマ-アミノらくさん)といいます。

ギャバは分類的にはアミノ酸の仲間なのですが、普通のアミノ酸とは異なる特徴を持っています。一般的に、アミノ酸はタンパク質の材料になる物質です。しかし、ギャバはタンパク質の材料にはなりません。そのかわり、人間の脳内に広く分布することによって、脳の働き(思考力や感情制御)をサポートしています。

このページでは、ギャバの働きとその効果、そしてサプリメントの選び方などについてご紹介します。

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1.ギャバの効果とは?

ギャバに期待されている効果は、次のようなものです。

  • 興奮を抑えてリラックスさせる
  • 血圧をおだやかにする
  • 脳の健康をサポートする

以下、この3点について詳しく述べていきます。

興奮を抑えてリラックスさせる

人間の脳の中にはさまざまな物質が存在していますが、その中でも特に重要なのが「神経伝達物質」と呼ばれている物質です。代表的なものにドーパミンやアドレナリンなどがあります。

神経伝達物質は「感情」「思考」「記憶」などの脳の活動を正常におこなうために必要なのですが、ギャバもこの神経伝達物質のひとつに数えられています。

人間の脳内では、ギャバと拮抗しながら働いている物質があります。それはグルタミン酸という神経伝達物質です。ギャバとグルタミン酸のバランスがとれていると、精神的に安定した状態になります。

しかし、何かの理由でバランスがその崩れて、グルタミン酸のほうが多くなるとどうなるでしょうか。グルタミン酸は「興奮系」の神経伝達物質で、神経を高ぶらせる作用を持っています。そのため、グルタミン酸の割合が多くなるとイライラしがちになったり、やたらと攻撃的になったりします。

ちなみに、脳内バランスがグルタミン酸に傾いてしまうのは、精神的ストレスが原因のひとつです。精神的ストレスが増えると脳内のギャバが消費されるため、グルタミン酸が相対的に多くなるのです。「イライラしがちな人はカルシウムが足りない」とよく言われますが、それと同時にギャバも足りなくなっている可能性があります。

そんなときに食事やサプリメントからギャバを摂ると、崩れていた脳内バランスを戻すことにつながります。興奮した神経も落ちつき、イライラや攻撃的な気分も収まってきます。

たとえば「寝るまえに神経が高ぶってしまい、寝つきが悪くなる」という不眠の症状に悩んでいる方は少なくないと思いますが、そういうケースでもギャバは効果を発揮すると考えられています。

血圧をおだやかにする

日本では、700万人以上の方が高血圧の症状を持っていると言われています。潜在的な高血圧予備軍をふくめると、その数はなんと2000万以上にのぼります。

単純に血圧を下げるだけなら、降圧剤を服用するのが一番効果があります。ただし、効果が高いぶん副作用も大きく、からだへの負担が無視できないのも事実です。

「できるだけ薬に頼りたくない……」という方は、ギャバを使ってみるのもひとつの選択肢かもしれません。というのも、ギャバには血圧をおだやかにする作用があることが、多くの動物実験で確認されているからです。

またギャバの場合、血圧が正常範囲まで下がると、それ以降は下がらないという特徴もあります。この点は降圧剤とは異なる利点です。もちろん、重度の高血圧に対しては薬による治療が一番ですが、境界域や軽度の高血圧に対しては、ギャバは有効な手段になりうると考えられています。

ちなみに、どうしてギャバが血圧をおだやかにするのかというと、それは血液中に含まれる塩分の排泄をうながすからです。

塩分を大量に摂ると、血液の塩分濃度が上がります。そうすると今度はその濃度を薄めようとして、血液中の水分量も増えます。その結果、血液の量自体が多くなってしまい、血管の壁に大きな圧力がかかるようになります(=高血圧)。

しかし、ギャバには腎臓の働きを活発にする作用があります。そのおかげで利尿がうながされるため、摂りすぎた塩分を体の外を排出できるのです。

また、すでに述べたように、ギャバには神経の興奮を抑えてリラックスさせる作用があります。リラックスすれば血管が拡張しやすくなるので、これも血圧上昇を防ぐのに一役買っていると考えられています。

脳の健康をサポートする

ギャバは脳の中に多く存在していて、思考力や記憶力などをサポートしています。脳内に存在するということは、それだけ生命活動に大きな影響を持っているとも言えるわけですが、ここで覚えておきたいことがひとつあります。それは、脳内のギャバの量は年齢とともに減っていくということです。

その中でも「海馬」という器官に存在するギャバは、加齢の影響のためにいちじるしく減少することが明らかになっています。海馬は、記憶に関係している器官です。そこに含まれるギャバが少なくなれば、とうぜん記憶力にも悪影響が出てくると考えられます。

記憶力に陰りが見えてくる年齢は人それぞれですが、「最近なんだか物忘れが多くなった……」と感じる機会が増えたなら、ギャバを積極的に摂ることを検討してみるといいと思います。あとで述べますが、ギャバはサプリメントでも摂れますし、日常の食べ物から摂ることも可能です。

ちなみに、ギャバのリラックス作用によって血管が拡張すると、体のめぐりが良くなりますが、このことは脳の血流にも当てはまります。

脳内の血液がスムーズに流れるようになれば、酸素と栄養素が行きわたるため脳細胞の健康維持にもつながります。そういう意味では、ギャバは「ブレインフード」のひとつという見方もできます。

ブレインフードとは……

脳の健康維持に役立つ栄養素のこと。代表的なものにDHAやホスファチジルセリンイチョウ葉エキスなどがある。

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2.食事やサプリで摂ったギャバは、脳まで届くのか?

上記で述べたようにギャバにはさまざまな効果が期待できますが、疑問点もあります。それは「口から摂取したギャバはそのまま脳に届けられるのか?」というものです。

脳はとてもデリケートな器官です。そのため、必要最小限の栄養素しか通れないようになっています。脳の入り口には「血液脳関門」という関所が設けられていて、特定の物質以外はすべてそこで遮断されてしまうのです。

実は、血液脳関門を通れるのはギャバの材料(グルタミン酸)だけで、ギャバそのものは通過できない、というのが従来から言われてきた定説です。この定説通り、もしギャバが脳内に到達できないとしたら……いくら摂取したとしても体内で分解されてしまうため、ほとんど意味がなくなります。

しかし最近の研究では、経口摂取したギャバが脳内に達することが、動物実験によって確認されています。

残念ながら人間の場合どうなるのかは、今のところ明らかになっていません。ただ、人間を対象にした臨床試験の結果を考えても、ギャバを摂取することによって脳や神経系に好影響が見られるのは事実です。そのため、食事やサプリから摂ったギャバはしっかり脳の中まで届く!と考えられています。

3.ギャバを補給するには

ギャバが多く含まれている食べ物で有名なのは、発芽玄米です。

発芽玄米は、通常の玄米を1mmくらい発芽させたものですが、ギャバ以外にもさまざま栄養成分を含んでいることが特徴です。たとえば、発芽玄米に含まれる「フェルラ酸」という栄養素は脳の健康をサポートする成分で、ギャバとの相乗効果を期待できる物質でもあります。

ただ、発芽玄米は味に癖がありますし、あまり一般的な食材とは言えないのも事実です。

そこでオススメなのは、日々の食事で野菜と果物をしっかり食べることです。ギャバは、トマトやナスなどの野菜類、みかんやブドウなどの果物類にも含まれています。

下記の表は、食品100gあたりのギャバ含有量です。

また、ちょっと変わったギャバの補給法として、ギャバを豊富に含む「お茶」を飲むという方法もあります。

酸素を遮断しながらお茶の葉を加工すると、茶葉に含まれているギャバの原料(グルタミン酸)からギャバが生成されます。このしくみを利用して作られたのがギャバ茶です。

お茶一杯につき10mgくらいのギャバが摂れるようです。発芽玄米を毎日食べるよりも敷居が低いですし、続けるのも楽だと思います。

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4.ギャバのサプリメント

一般的な健康目的のためには、一日あたり10~30mgくらいのギャバを摂取すると良いとされています。食生活に気をくばり、野菜や果物を食べるようにしていれば、それくらいの量を摂ることは充分可能です。そのため、基本的にはサプリメントからギャバを摂取する必要はありません。

ただ、「血圧をおだやかにする」「脳の健康を維持する」などの効果を期待するのであれば、一日につき100~200mgの摂取が目安になると言われています。この量は日々の食事からは摂れませんので、サプリメントを使うことも検討してみてください。

サプリメントの選び方

ギャバのサプリメントは、日本のメーカーだけでなくアメリカのサプリメーカーからも販売されています。

コストパフォーマンスについてはアメリカのメーカーに軍配が上がりますが、欠点もあります。それは、ひと粒あたりの含有量が多すぎるということです。たとえばアメリカのNOW社のサプリだと、1粒に500mgものギャバが含まれています。

後述しますが、ギャバは摂りすぎると副作用が起きる可能性があります。そういう意味では、国産ギャバサプリは1粒あたりの含有量が少ないので安全と思います。

副作用と注意点

ギャバは、野菜や果物などの通常の食材に由来する成分であり、人体にも存在している物質です。そのため安全性は高いと考えられています。

ただし、過剰に摂取すると「動悸」「息切れ」などの副作用が発生する可能性があります。また、顔面が赤くなったり唇が痙攣したりする副作用も確認されています。

ちなみに、ここでいう過剰摂取というのは一日あたり1000mg以上を指しています。ただし体格や体質にもよるので、500mgくらいしか摂取していなくても、副作用が起こる危険性は充分にあります。

また上記のような副作用は、空腹のときにギャバを摂取すると発生しやすいようです。そのため、ギャバのサプリは食前には飲まず、食事の後に飲むのがベストタイミングと言えます。

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